打ち具す(読み)ウチグス

デジタル大辞泉 「打ち具す」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぐ・す【打ち具す】

[動サ変]
ちゃんとそろっている。きちんと備わる。
「親―・し、さしあたりて世の覚えはなやかなる御方々」〈桐壺
連れ立つ。たずさえる。
「―・しては、つきなからむさまを思ひかへし給ふ」〈須磨

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち具す」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぐ・す【打具】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 ( 「うち」は接頭語 ) じゅうぶんに備わる。ちゃんとそろう。
    1. [初出の実例]「おやうちぐし、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がたにもいたうおとらず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 「うち」は接頭語 ) 人を伴う。連れる。また、物を携える。
    1. [初出の実例]「碁手、扱きて、嵩高く入れたる、すみ物とてうちぐし給へり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    2. 「のりかへ一騎うちぐし、〈略〉三井寺へこそ馳(はせ)たりけれ」(出典平家物語(13C前)四)

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