デジタル大辞泉
「打ち渡す」の意味・読み・例文・類語
うち‐わた・す【打ち渡す】
[動サ四]
1 連ね並べる。かけ渡す。
「安太人の魚梁―・す瀬を速み心は思へどただに逢はぬかも」〈万・二六九九〉
2 馬を進めて、渡り越えさせる。
「千鳥鳴く佐保の河門の清き瀬を馬―・しいつか通はむ」〈万・七一五〉
3 見渡す。眺めやる。
「―・す竹田の原に鳴く鶴の間なく時なし我が恋ふらくは」〈万・七六〇〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うち‐わた・す【打渡】
- 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
- ① ( 「うち」は、馬を進ませるの意 ) 渡り越す。乗り越える。
- [初出の実例]「千鳥鳴く佐保の河門(かはと)の清き瀬を馬打和多思(うちワタシ)いつか通はむ」(出典:万葉集(8C後)四・七一五)
- ② 打ちならべる。かけわたす。はりめぐらす。
- [初出の実例]「安太人(あだひと)の魚梁(やな)打度(うちわたす)瀬を速み心は思へどただにあはぬかも」(出典:万葉集(8C後)一一・二六九九)
- ③ ( 「うち」は接頭語 ) ずっと見渡す。
- [初出の実例]「さわさわに 汝が言へせこそ 宇知和多須(ウチワタス) 彌木栄(やがはえ)なす 来入(きい)り参来(まゐく)れ」(出典:古事記(712)下・歌謡)
- 「うちわたすをちかた人にもの申すわれそのそこにしろくさけるはなにの花ぞも〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇七)
- ④ 打渡し[ 二 ]①を実行する。
- [初出の実例]「任二去四月十五日之遵行之旨一、早可レ被レ打二渡高野山西塔雑掌一之状如レ件」(出典:高野山文書‐応永二年(1395)五月三日・上野氏時打渡状)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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