デジタル大辞泉
「参来」の意味・読み・例文・類語
まい・く〔まゐく〕【参来】
[動カ変]貴所へ参上してくる。
「板葺の黒木の屋根は山近し明日の日取りて持ちて―・こむ」〈万・七七九〉
もう・く〔まうく〕【▽参来】
[動カ変]《「まいく」の音変化》高貴な人のもとに来る。参り来る。
「時に兄猾―・こず」〈神武紀〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さん‐らい【参来】
〘名〙
①
貴人の
部屋、
御殿などにはいってくること。立ち現われること。
※
天徳四年内裏歌合(960)「仰令
レ召
下在
二殿上
一卿
上。即左大臣清慎公〈略〉朝成朝臣参来候
レ座」
②
仏道の実践修行によって明らかにすること。
参究。転じて、思いめぐらすこと。
まい‐・く まゐ‥【参来】
〘自カ変〙 高貴な人のもとや高貴な
場所に来る。もうく。
※
古事記(712)下・
歌謡「さわさわに 汝
(な)が言へせこそ うち渡す 彌木栄
(やがはえ)なす 来入り麻韋久礼
(マヰクレ)」
[
語誌]「まゐ」とカ変動詞「く(来)」との
複合動詞。「まゐ」は、「都べに 末為
(マヰ)しわが背を」〔
万葉‐四一一六〕のように用いられた、「まゐる」(ワ上一)の
連用形と思われる。
類義語として「まゐりく」がある。
中古には「もうく(まうく)」の形が見られる。
もう‐こ まう‥【参来】
(「もうく(参来)」の
命令形) こちらへきなさいの意。
宮廷の
儀式の時に用いた。
※
左経記‐長元四年(1031)七月二日「入
二立小庭
一、上宣〈末宇古〉丞高唯」
もう‐・く まう‥【参来】
〘自カ変〙 (「まいく(参来)」の変化した語) 高貴な人のもとや高貴な場所に来る。
※
書紀(720)継体二三年四月(図書寮本訓)「二の王、自ら来参
(マウコ)ず」
まいり‐・く まゐり‥【参来】
〘自カ変〙 参上する。貴人のもとなどへまいる。
※
伊勢物語(10C前)一一八「昔、をとこ、ひさしくおともせで、忘るる心もなし、まいりこむといへりければ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報