打ち為(読み)ウチス

デジタル大辞泉 「打ち為」の意味・読み・例文・類語

うち・す【打ち為】

[動サ変]
ちょっとする。無雑作にする。
「帯ばかり―・したる若き法師ばら」〈・一二〇〉
雨などがさっと降る。
時雨―・して、ものあはれなる暮れつ方」〈・葵〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち為」の意味・読み・例文・類語

うち‐・す【打為】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 ( 「うち」は接頭語 ) 雨などがさっと降る。
    1. [初出の実例]「風いとさむく、しぐれうちしつつ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 「うち」は接頭語 ) ある行為をする。無造作に物事を行なう。
    1. [初出の実例]「ほととぎすのほのかに声うちしさみだれたるころほひのつとめて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
    2. 「我にも非(あら)装束打してぞ馬に乗て」(出典今昔物語集(1120頃か)二九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android