打過(読み)うちすぎる

精選版 日本国語大辞典 「打過」の意味・読み・例文・類語

うち‐す・ぎる【打過】

〘自ガ上一〙 うちす・ぐ 〘自ガ上二〙 (「うち」は接頭語)
① ある場所を通り過ぎる。通過する。
※重之集(1004頃)下「山しろのとばのわたりをうちすぎていなばのかぜにおもひこそやれ」
② ある時期、時間が過ぎる。経過する。
※竹取(9C末‐10C初)「かかる程に、宵打過て」
③ ある基準以上になる。越える。まさる。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「御髪(みぐし)はやうじかけたるやうにめでたし。肩うちすぎたり」
④ 水準以上である。程度が普通以上である。度が過ぎる。
源氏(1001‐14頃)朝顔山里の人こそは、身のほどにはややうちすぎ、ものの心など得つべけれど」

うち‐すぐ・す【打過】

〘自サ四〙 (「うち」は接頭語)
① 普通の程度以上に物事をする。度を過ごす。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)花宴柳花苑といふ舞を、これは、いますこしうちすぐして、かかる事もやと心づかひやしけむ」
② 年を取る。年齢がまさる。年たく。
※源氏(1001‐14頃)紅葉賀「四年(よとせ)ばかりがこのかみにおはすれば、うちすぐし恥づかしげに、盛りにととのほりて見え給ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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