投込(読み)なげこみ

精選版 日本国語大辞典 「投込」の意味・読み・例文・類語

なげ‐こみ【投込】

〘名〙
① 投げて入れること。
歌舞伎小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)二幕「縄よりも、又菱結(ひしゆい)にからまれて、暗い所へ投込に、悪事は重い差荷ひ、命を棒に振る所」
生け花で、自然のままの花を一定の形に従わずに、投げ込んだように生けること。投げ入れ。
※雑俳・柳多留‐四七(1809)「なけ込(こミ)といって生花叱られる」
無縁仏となった死者本堂での法要をしないですぐに埋めたり、大きい一つの穴へ一度に何体かを埋めたりなど、疎略な埋葬をすること。
※雑俳・柳多留‐七(1772)「なげこみの施主はふんごみなどで来る」
※歌舞伎・暫(1714)「わるくそばへ立(だて)をしやがると、投込(ナゲコ)みへほふりこむぞ」
⑤ 新聞・書籍などにはさみ込む刷り物、広告など。

なげ‐こ・む【投込】

〘他マ五(四)〙
① 投げて入れる。無造作に投げ入れる。なげいれる。
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「速此功力を以、彼科を救はんと思ふ莫太(ばくだい)行業を、併三悪道に抛籠(ナゲコミ)、其力を以、日本国の大魔縁となり」
浮世草子・好色五人女(1686)一「男の手にて文を調へ、袂になげ込(コミ)
② 生花で、花を一定の形に従わずに、投げ込んだように生ける。なげいれる。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一〇「籠花活に軽い一輪をざっくばらんに投(ナ)げ込(コ)んだ」

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