折野村（読み）おりのむら

日本歴史地名大系

折野村
おりのむら

• 徳島県：鳴門市
• 折野村

[現在地名]鳴門市北灘町折野（きたなだちようおりの）

鳥（とり）ヶ丸（まる）村の西にあり、北灘八ヵ村のうち最大の村。北部は播磨灘に面する。中央部東寄りを折野川が北流し、海への出口周辺が村の中心である。西部の海岸辺りにもと入海であった所が干上って平野化したという三津（みつ）集落がある。海岸部を東から西の大須（おおず）村に北灘道が通る。折野谷を南にさかのぼり卯辰（うだつ）峠を越えて檜（ひのき）村に至る道も当村と吉野川流域平野を結ぶ重要な道であった。「阿波志」によれば村名は古くは「鬼籠野」に作るとあり、支落として美津（みつ）、里として藤窪（ふじくぼ）（現藤ノ久保）、上田井（かみたい）、竹下（たけした）（現竹ノ下）をあげる。「阿陽平均簿」は旧村名を「鬼野村」とし、昔法然が讃岐に流されたとき配所にいた鬼人を教化したという伝説があり、その地は讃岐大内（おおち）郡であったが、寛永（一六二四―四四）の頃阿波国に属したというと記す。慶長二年（一五九七）の分限帳には折野とあり、八五石余が益田内膳丞の知行分。正保国絵図には折野村八六石余とあり、ほかに折野之内三津村が記される。寛文四年（一六六四）の郷村高辻帳では田六六石余・畠一九石余、芝山、枝村三津村の注記がある。天和二年（一六八二）の蔵入高村付帳では蔵入高三六六石余。文化一〇年（一八一三）の高都帳では高七〇五石余。「阿波志」によれば土田は上等、陸田一〇分の三・水田一〇分の六（数値は史料ママ）、反別一町六反余（誤記か）、家数一六二。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」