抜毛症(読み)バツモウショウ(その他表記)Trichotillomania

家庭医学館 「抜毛症」の解説

ばつもうしょうとりこちろまにあ【抜毛症(トリコチロマニア) Trichotillomania】

[どんな病気か]
 からだの毛をくり返し抜き、その部分の体毛の喪失が目立っているものです。
 頭髪を抜くことがほとんどですが、ときに、まつげ眉毛(まゆげ)、腋毛(えきもう)、恥毛(ちもう)を抜くこともあります。抜毛症は、学童期から思春期にかけてみられ、女児に多くみられます。
[原因]
 心理的、性格的要因に基づくものです。不安・緊張による一時的な反応であることもありますし、その子どもをとりまく環境における心理的葛藤(かっとう)(たとえば家庭内での葛藤)による攻撃的な気持ちを表わす行為であることもあります。
[治療]
 その子どもをとりまく環境をよく理解したうえで、攻撃性の発散や気持ちのコントロールのしかたをうまくできるように支援します。症状が長引くようなときには、遊戯療法(ゆうぎりょうほう)を含む心理療法、家族療法などが行なわれます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

知恵蔵mini 「抜毛症」の解説

抜毛症

毛髪まつ毛、眉毛などの体毛を自分で抜いてしまう行為障害。「抜毛癖」とも呼ばれる。大人も発症するが、特に学童期から思春期の子どもに多いとされる。無意識のうちに体毛を抜いている場合と、意識的に抜いている場合があり、不規則な脱毛痕や切れ毛が見られる。また、抜いた体毛を食べてしまい、食欲不振や腹痛といった症状が引き起こされるケースもある。原因は心理的なストレスと考えられているため、帽子をかぶったりして毛髪に触れないようにするほか周囲本人が自覚するまで温かく見守るなどの心のケアも重要となる。

(2017-9-5)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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