コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

遊戯療法 ゆうぎりょうほうplay therapy

5件 の用語解説(遊戯療法の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊戯療法
ゆうぎりょうほう
play therapy

遊びを媒体とする精神療法。遊びとは子供が環境に適応する手段の一つであり,また,その子の適応様式が投影される場面でもある。そこで,遊びをコミュニケーションの媒体として診断に役立てるとともに,遊びを通じて情緒的あるいは知的な安定と発達をはかる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ゆうぎりょうほう【遊戯療法 play therapy】

子どもに行われる心理療法の一つ。大人の心理療法が治療者との間に交わされる言語を仲介にして治療関係が成立するのに対して,子どもでは言葉による自己表現や洞察への過程が不十分なため,遊びやおもちゃを媒介にして心理療法を行う。遊びは子どもにとって本質的なものであり,非常に有効な自己表現活動であって,思いっきり遊ぶことに浄化作用,治療作用があるとされる。一般にはプレールームといわれる専用遊戯室の中で行われ,部屋の外に出ないのが原則である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ゆうぎりょうほう【遊戯療法】

心理療法の一。治療者とクライアントが遊びを通して交流し、感情や葛藤かつとうの表現をはかるもの。子供の心理治療における代表的技法。プレー-セラピー。

出典|三省堂
大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊戯療法
ゆうぎりょうほう
play therapy

遊びを通して子供の心理治療を行うこと。プレイ・セラピー。遊びは言語的伝達手段の未熟な幼児や児童の場合は、もっとも有効な自己表出の手段である。遊びは現実の制約から逃れ、主体的に心的世界を構築するものであり、幼児はこの世界において自己を発見し意味を創造していくことができる。遊ぶことのできない子は問題児であり、遊ぶことは社会的、文化的成長にとって重要な意義をもっている。エリクソンは、理解ある大人から保護的承認を受け、遊びを演じ尽くすことが子供に許されているもっとも自然な自己治療の方法であるという。まさに遊びが心理療法の手段として使われる根拠もそこにある。
 精神分析では、ことばを用いた自由連想法が治療の技術として使われるが、言語的表出や伝達の未成熟な幼児や児童では、遊びそのものが大人の自由連想と同じ意義をもつものと考えられる。イギリスの精神分析学者のメラニー・クラインの場合は、遊びのなかに子供の無意識が象徴的に表現されると考え、さまざまな遊具を子供に与えて自由に遊ばせて児童分析を試みようとする。たとえば、人形の手や足をもぎとることは、親に対する無意識的な敵意とか嫉妬(しっと)の表れであると解釈される。しかし、大人の自由連想と子供の遊びを同じように考えることに反対する立場もあり、フロイトの娘のアンナ・フロイトAnna Freud(1895―1982)は、遊びのなかでの子供と治療者との関係を重視しようとする。子供の心理治療でもっとも重要なことは遊びがなにを表しているか、子供の心の世界でなにが起きているかを治療者が理解することであるが、こうしたことはすべて治療者―患者の関係のなかで起きているからである。また、遊びを成長過程とみなし、心理的葛藤(かっとう)の表出、緊張の解放とみなす場合には治療技術も異なってくる。たとえば、治療者は直接に関与せず、子供の自発的遊びを援助するにとどまる方法もある。いずれにしても、遊戯療法は、幼児や児童を対象にするもっとも一般的な心理療法である。[外林大作・川幡政道]
『D・W・ウィニコット著、橋本雅雄訳『遊ぶことと現実』(1979・岩崎学術出版社) ▽東山紘久著『遊戯療法の世界 子どもの内的世界を読む』(1982・創元社) ▽メアリー・R・ハワース著、斎藤万比古監訳、山崎透・佐藤至子他訳『ある少年の心の治療――遊戯療法の経過とその理論的検討』(1997・金剛出版) ▽メラニー・クライン著、小此木啓吾・岩崎徹也責任編訳、衣笠隆幸訳『メラニー・クライン著作集2 児童の精神分析』(1997・誠信書房) ▽エリク・H・エリクソン著、近藤邦夫訳『玩具と理性――経験の儀式化の諸段階』新装版(2000・みすず書房) ▽日本遊戯療法研究会編『遊戯療法の研究』(2000・誠信書房) ▽リネット・マクマホン著、鈴木聡志・鈴木純江訳『遊戯療法ハンドブック』(2000・ブレーン出版) ▽弘中正美著『遊戯療法と子どもの心的世界』(2002・金剛出版)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone

遊戯療法の関連情報