抱合せ増資(読み)だきあわせぞうし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抱合せ増資」の意味・わかりやすい解説

抱合せ増資
だきあわせぞうし

株式会社増資(→資本金額の増加)の一形態。2001年廃止。新株発行価額の一部を準備金の資本組み入れによって充当し,残部を株主の払い込みによる方法をもってする増資。株主にとっては準備金の資本組み入れによる充当分だけが無償となり,有償無償抱合せ増資ともいった。かつて「株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律」によって認められていたが,1973年の同法の失効に伴い,1974年の商法改正によって新規定が設けられた。改正商法は,抱合せ増資によって発行される新株を額面株式にかぎり,発行価額を券面額としていたが,2001年の改正で額面株式が廃止され,規定も削除された。

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世界大百科事典(旧版)内の抱合せ増資の言及

【増資】より

… 株式会社では,現行商法においては授権資本制が採用されており,資本の額は定款の記載事項でないため,定款変更の手続によることなく,授権株式数の範囲内では法の定める各事由により資本が増加する。具体的には,通常の新株発行,法定準備金(準備金)の資本組入れ(商法293条ノ3),抱合せ増資(通常の新株発行と,法定準備金または配当可能利益の資本組入れにともなういわゆる無償交付とを組み合わせた中間的形態。280条ノ9ノ2),配当可能利益の資本組入れ(293条ノ2)のほか,転換社債権者により転換権が行使された場合,新株引受権付社債(〈株式買取権付社債〉の項参照)権者により新株引受権が行使された場合,吸収合併(〈合併〉の項参照)に際して存続会社の資本が増加される場合である。…

※「抱合せ増資」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」