押回し(読み)オシマワシ

デジタル大辞泉 「押回し」の意味・読み・例文・類語

おし‐まわし〔‐まはし〕【押(し)回し】

物事をあれこれ処理すること。また、顔がきくこと。「押し回しが利く」
和船で、舷側上部の垣立かきたつともやぐら末端まで連続して作る構造のもの。
江戸時代、千石積み以上の運送船

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精選版 日本国語大辞典 「押回し」の意味・読み・例文・類語

おし‐まわし‥まはし【押回・押廻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 世間の事をあれこれ処理すること。「おしまわしが利(き)く」
  3. 和船の船尾上廻り構造の形式で、舷側の垣立(かきだつ)を艫(とも)やぐらの末端まで連続してつくるもの。中世末期から近世初期の大型の軍船や荷船に採用され、軍船では安宅(あたけ)型の特徴の一つとされている。押し廻し造り。
    1. 押廻し<b>②</b>〈和歌山県 柿本神社蔵〉
      押廻し〈和歌山県 柿本神社蔵〉
    2. [初出の実例]「大将の乗船は〈略〉惣矢倉左右胴壁作り、ねうし筥置・とも押廻しの大舟也」(出典:能島家伝書(17C初か)兵船造様之事)
  4. 近世和船の船型名称。通常の弁才船と同じ系統の大型荷船だが、艫の垣立をの構造にするものを、弁才船と区別するために特にいう。近世前期、瀬戸内、紀州地方で主用されたが、後期にはほとんどなくなった。〔和漢船用集(1766)〕

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