持越(読み)もちこす

精選版 日本国語大辞典「持越」の解説

もち‐こ・す【持越】

〘他サ五(四)〙
① 持って移す。持って次へ送る。
万葉(8C後)一・五〇「新た代と 泉のに 持越(もちこせ)真木の爪手を 百足らず いかだに作り」
物事をそのままの状態で次の時期、段階に移し送る。また、手をつけないで先に延ばす。
※浮世草子・新色五巻書(1698)三「来月が生月、初は持越(モチコス)ものじゃといへば先の月迄延びるにても有べし」
食物が消化しないでにたまる。
前夜からの酔いを翌日まで継続する。
歌舞伎・敵討噂古市(正直清兵衛)(1857)二幕「『何故今日は飲めねえのだ』『持越(モチコ)してでもゐるのなら、熱燗でぐっとやるがよい』」

もち‐こし【持越】

〘名〙
① もちこすこと。残して次へ送ること。また、そのままの状態で次の時期、段階に移し送ること。また、そのもの。
※浄瑠璃・軍法富士見西行(1745)三「の口舌(くぜつ)の持越を、私等にひぞって見せるのか、好かんたらしいおかりんせ」
② 食べたものが消化しきれないで胃の中に残っていること。また、そのもの。
※歌舞伎・黄門記童幼講釈(1877)四幕「昨夜からの持越(モチコ)しで未だ腹に残って居るゆゑ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「ヤレ、宿酔(モチコシ)だの、頭痛だのとぬかして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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