指扇村(読み)さしおうぎむら

日本歴史地名大系 「指扇村」の解説

指扇村
さしおうぎむら

[現在地名]大宮市指扇・プラザ

土屋つちや村の北東に位置し、大宮台地の指扇支台南部に立地する。中央部と北部に西方の荒川沖積地から入込んだ谷があり、起伏が多い。村の中央を東西に川越城下へ通ずる道が通る。「尊卑分脈清和源氏(足利義康流)の上野頼兼の項に「武蔵国差扇郷」を朝恩として拝領した旨の記述があるが、具体的な内容は不詳。戦国期の成立と推定される市場之祭文写(武州文書)に「足立郡遊馬郷指扇村市祭成之」とあり、この頃当地は遊馬あすま郷に含まれ、市が開催されていた。江戸時代には差扇さしおうぎ領に属し、差扇村とも記した(風土記稿)。元和九年(一六二三)旗本山内氏は足立郡の内差扇領三千石を与えられ、当村もそのなかに含まれた(「寛政重修諸家譜」・田園簿)。田園簿では田四四七石余・畑二六四石余、ほかに山銭永一貫二七三文がある。元禄二年(一六八九)山内氏は土佐藩山内宗家を継ぐため転出、差扇領は上知され、以後幕末まで幕府領であった(寛政八年「足立郡村々高辻帳」都築家文書、改革組合取調書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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