振捨てる(読み)フリステル

デジタル大辞泉 「振捨てる」の意味・読み・例文・類語

ふり‐す・てる【振(り)捨てる】

[動タ下一][文]ふりす・つ[タ下二]
気持ちなどをきっぱりと絶つ。思い切って捨てる。また、すげなく置き去りにする。「妻子への思いを―・てる」
神輿みこしなどを担いでいって置き去りにする。
紫宸殿清涼殿などに―・てまゐらせて、山法師はのぼりぬ」〈増鏡・老のなみ〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「振捨てる」の意味・読み・例文・類語

ふり‐す・てる【振捨】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ふりす・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. すげなく置き去りにする。また、見捨ててほったらかしにする。
    1. [初出の実例]「なげきつつ過ゆく春ををしめどもあまつ空からふりすてていぬ」(出典:千里集(894))
    2. 「妻子をふりすてて〈略〉山々、寺々をも修行し侍るは」(出典:撰集抄(1250頃)六)
  3. 神輿(みこし)神木などをかついで行って、ある場所に置き去りにする。
    1. [初出の実例]「大衆神輿をば陣頭にふりすて奉り」(出典:平家物語(13C前)一)
  4. 物を投げ捨てる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  5. (罪過を)払い捨てる。
    1. [初出の実例]「アクヲ furisutçuru(フリスツル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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