改訂新版 世界大百科事典 「排水設備」の意味・わかりやすい解説
排水設備 (はいすいせつび)
drainage equipment
便所,台所,風呂場などからの汚水,雑排水や雨水を建物あるいは敷地から排水するために設けられる排水管や排水処理装置(屎尿浄化槽など)などの総称。建物の排水設備に要求される基本的な性能としては,不用な排水を静かにかつすみやかに敷地外の公設の下水道などに排出すること,下水管内の悪臭ガスが建物内に侵入しないようにすることなどがある。このガスの侵入を防止する目的で各器具に設けられるのがトラップである。洗面器の下で排水管がU字形に曲がっているのはその例で,この部分につねに水(封水という)が存在するようにして悪臭の逆流を防止する。この封水が,管内を流れる水の力で引き起こされる空気圧の変動でなくならないように設計することが重要である。そのために管内へ空気を流通させることを目的に設けられる管などを称して通気設備という。広義の排水設備ではこれも含む。
執筆者:鎌田 元康
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報