掛て・懸て(読み)かけて

精選版 日本国語大辞典 「掛て・懸て」の意味・読み・例文・類語

かけ‐て【掛て・懸て】

〘副〙 (動詞「かく(掛)」の連用形助詞「て」が付いてできた語。「物事に関係づけて」の意から)
① あとに否定反語表現を伴って、まったく予測もしない気持を表わす。決して。全然。ゆめにも。いささかも。かけても。
※後撰(951‐953頃)哀傷・一四二二「かけてだにわが身の上と思ひきやこむ年春の花を見じとは〈伊勢〉」
謡曲生田敦盛(1520頃)「いかなる折か来りけん、木曾の掛け橋かけてだに、思はぬ敵に落されて」
② ふと。ちょっと。少しでも。いささかも。かけても。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「をのこどもさけかひてさかなこふぞや、かけてきけば心ちこそまどへ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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