精選版 日本国語大辞典 「採り物」の意味・読み・例文・類語
とり‐もの【取物・採物】
- 〘 名詞 〙
- ① 取得すること。とり入れること。また、そのもの。
- ② 掠奪すること。また、そのもの。
- [初出の実例]「此間検非違使郎等追捕間、近辺家取物之由其有レ聞」(出典:殿暦‐長治元年(1104)一二月二一日)
- ③ ( 多く「採物」と書く ) 手にとって持つもの。
- ④ ( 多く「採物」と書く ) 神楽、特に御神楽(みかぐら)の部類名。神楽の初めの方で、神迎えの目的で演ぜられる。③(ロ)を持って舞うもので、榊・幣・杖・篠・弓・剣・鉾・杓・葛・韓神の一〇曲。
- [初出の実例]「採物」(出典:神楽歌(9C後))
- ⑤ 碁石でする遊戯の一つ。ひろいもの。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
- ⑥ 土地、家作などからはいってくる金銭。また、働いたり事業をしたりして得る収入。
- [初出の実例]「小商人、并に定りたる歳入(トリモノ)にして」(出典:西洋家作雛形(1872)〈村田文夫著者>・<著者>山田貢一郎訳〉四)