御神楽(読み)オカグラ

  • ▽御神楽
  • みかぐら

世界大百科事典 第2版の解説

神楽の美称で,皇室の祭儀として宮中で行われる神事芸能。民間神事の神楽〈かぐら〉〈おかぐら〉〈里神楽〉などと区別してとくに〈みかぐら〉と称する。 御神楽の起源は,天岩戸の前での天鈿女(あめのうずめ)命の舞であると伝えられるが,これに儀式としての作法が定まり,神楽譜が選定されるのは平安時代に入ってからである。現行御神楽の原形である〈内侍所(ないしどころ)の御神楽〉は,《江家次第》《公事根源》等によれば,一条天皇の時代(986‐1011)に始まり,最初は隔年白河天皇の承保年間(1074‐77)からは毎年行われるようになったという。

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大辞林 第三版の解説

神楽かぐらの丁寧語。
平屋ひらやの上に二階を増築すること。また、その二階。
灰かぐら。
宮中で行われる神楽。 → 里神楽

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 「かぐら(神楽)」の尊敬・丁寧語
※虎明本狂言・石神(室町末‐近世初)「かぐら一度まはりて おかぐらこそめでたうおりゃらしませ」
平屋(ひらや)であった家にあとから上に建て増すこと。また、その建物。二階までの通し柱のないものをいう。大神楽(だいかぐら)
※五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉三五「横町の生花の宗匠が二階、御神楽(オカグラ)だけの事はありしも気味よし」
③ 灰かぐらのこと。
※歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)(1879)六幕「此の時茶釜吹きこぼれる。〈略〉『ヲヤ、お神楽(カグラ)は。恐れるねえ』」
④ 江戸吉原の切見世で、見世仕舞いして後の揚代の称。
※浮世草子・元祿大平記(1702)五「女郎の惣数(そうかず)は〈略〉見せ仕廻ふてからは、おかぐらと名付て十二匁」
⑤ 「おかぐらそば(御神楽蕎麦)」の略。また、それを売る人。江戸吉原でいった語。
※洒落本・郭中掃除雑編(1777)「内証ではおかぐらもくふ」
⑥ 東京、神楽坂の芸者。
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉二「オカグラ(神楽坂芸者)相手のシャボツリ(芸者遊び)とはまるでちがう」
〘名〙 神楽を敬っていう語。《季・冬》
※宇津保(970‐999頃)祭の使「みかぐらの召人」

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世界大百科事典内の御神楽の言及

【日本音楽】より

…この運動の一環として,外国音楽の様式に日本の歌詞をはめこんだ催馬楽(さいばら),さらにそれが日本的になった朗詠の2種の新声楽が生まれた。また,宮中の祭祀楽も御神楽(みかぐら)として,その形態が整えられ,雅楽の中に含まれるようになった。これらは貴族の音楽であるが,民衆の音楽としては田楽(でんがく),猿楽(さるがく),雑芸(ぞうげい)などが行われた。…

【舞楽装束】より

…日本の雅楽に用いる装束で,大別すると,日本古来の歌舞(うたまい)の舞人装束,管絃の装束,舞楽装束となり,一般にはこれらを総括して舞楽装束と称する。
[歌舞の舞人装束]
 歌舞とは,神楽(御神楽(みかぐら)),大和(倭)舞(やまとまい),東遊(あずまあそび),久米舞,風俗舞(ふぞくまい)(風俗),五節舞(ごせちのまい)など神道系祭式芸能である。〈御神楽〉に使用される〈人長舞(にんぢようまい)装束〉は,白地生精好(きせいごう)(精好)の裂地の束帯で,巻纓(けんえい∥まきえい),緌(おいかけ)の,赤大口(あかのおおくち)(大口),赤単衣(あかのひとえ),表袴(うえのはかま),下襲(したがさね),裾(きよ),半臂(はんぴ∥はんび),忘緒(わすれお),(ほう∥うえのきぬ)(闕腋袍(けつてきほう)――両脇を縫い合わせず開いたままのもの),石帯(せきたい),檜扇(ひおうぎ)(),帖紙(畳紙)(たとうがみ),(しやく)を用い,六位の黒塗銀金具の太刀を佩(は)き,糸鞋(しかい)(糸で編んだ(くつ))を履く。…

※「御神楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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