描き起し(読み)かきおこし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「描き起し」の意味・わかりやすい解説

描き起し
かきおこし

日本画の制作過程で,彩色の上に入念な仕上げの線描を加えて,対象輪郭細部を描き出すこと。またその線描をいう。画面全体に絵具を塗り重ねる作り絵に典型的にみられる技法であるが,一般にも人物目鼻など,重要な部分を墨線で微妙に描き出すことがよく行われる。逆に描き起しの輪郭線や描線を加えず,彩色や墨の広がりだけで対象をじかに表現する手法没骨 (もっこつ) 画法,付立法などという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android