摂受(読み)ショウジュ

デジタル大辞泉 「摂受」の意味・読み・例文・類語

しょう‐じゅ〔セフ‐〕【摂受】

仏語衆生しゅじょうの善を受け入れ、収めとって導くこと。→折伏しゃくぶく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「摂受」の意味・読み・例文・類語

しょう‐じゅ セフ‥【摂受】

〘名〙
① 仏語。衆生を導くために、衆生の善を受け入れ、収めとること。
※続日本紀‐天平勝宝八年(756)一二月己酉「願衆大徳、勿摂受
三帖和讚(1248‐60頃)正像末「三朝浄土の大師等 哀愍摂受したまひて 真実信心すすめしめ 定聚のくらゐにいれしめよ」 〔勝鬘経‐十受章〕
② 特に、折伏(しゃくぶく)に対して、力を用いずに他人の行為や心を受け入れること。
※雑談集(1305)一「降伏し摂受(セフジュ)すべし。此れ則ち仏法を守護する之㒵ち也」 〔勝鬘経‐十受章〕
③ 受け入れること。わがものとすること。〔勝鬘経‐十受章〕

せつ‐じゅ【摂受】

〘名〙
② 受けてとり入れること。受容

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「摂受」の読み・字形・画数・意味

【摂受】せつじゆ

仏教で衆生を救済することをいう。

字通「摂」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の摂受の言及

【折伏】より

…破折調伏の意で,摂受(しようじゆ)の対語。仏教における化導弘通(けどうぐづう)の方法で,摂受が相手の立場や考えを容認して争わず,おだやかに説得して漸次正法に導くことであるのに対して,折伏は相手の立場や考えを容認せず,その誤りを徹底的に破折して正法に導く厳しい方法で,摂受は母の愛に,折伏は厳しいながら子をおもう父のいましめにたとえられる。…

※「摂受」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android