摩瀬村
さつまぜむら
[現在地名]人吉市上薩摩瀬町・下薩摩瀬町・宝来町・相良町
人吉城下から西へ約半里、南は球磨川に面し、北は村山台地に臨む。東は大村、北・西は林村に接する。中世においては一部が「人吉庄南方経徳名常楽名」の梁場として相良氏に属していたらしく、延慶四年(一三一一)三月五日の相良蓮道長氏置文(相良家文書)に「さつませのやな」とみえる。また天文五年(一五三六)一一月二二日の沙弥洞然相良長国長状写(同文書)には「薩摩瀬五日も御湯治」とあり、隣村の林村をも含めて、現在の人吉温泉の先駆をなすものであろう。
慶長国絵図には「さつまぜ村」として高三〇〇石二斗余とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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