給人(きゅうにん)とも。江戸時代,領主から地方(じかた)知行をあてがわれること。またその家臣。蔵米取や切米取に対し,領主から一定の土地を給与され,そこから徴収する年貢米などを俸禄とした幕府の旗本や諸藩の上・中級家臣をいう。多くの藩では江戸中期以降減少し,外様の大藩では多く幕末期まで存在した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…徳川家康が関東移封の直後に,家臣団の知行割を行ったのが旗本の地方知行の原型である。当初の方針は,小知行取は江戸付近,せいぜい江戸から一晩泊りの範囲内におくことにあったが,その後たびたびの地方直し(じかたなおし)(知行地の再編)によって,知行地は関西や中部地方にも広がり,蔵米知行から地方知行への転換も生まれ,知行の分散化が進行した。地方知行の旗本は,地方取(知行取)とも呼ばれ,上級のものは大名領に似た組織をもつが,旗本は常時江戸詰めを命ぜられていたから,在地勤務の家臣に知行地の支配をまかせた。…
…旗本の出自は三河以来の旧臣・近国衆に属する者を中心に,大名の絶家・分知で一族家臣の登用された者,名家の子孫,学問技芸によって登用された者などとなっている。寛政期の旗本の知行(ちぎよう)形態は知行取の人数2264人(43%),知行高262万7540石(80%)(図1),蔵米取の人数2941人であり,蔵米高の内訳は切米取62万1525俵(2836人分)が大部分を占め(図2),現米取と扶持取は少である。 旗本の幕府勤仕は有職を原則としたが無役の者も少なくない。…
※「知行取」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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