擬細胞体(読み)ぎさいぼうたい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「擬細胞体」の意味・わかりやすい解説

擬細胞体
ぎさいぼうたい

緑藻植物ミルイワヅタハネモ、黄緑藻植物のフシナシミドロフウセンモ変形菌類のプラスモデスミウムなどの体のことで、非細胞体ともいう。細胞が分裂するときには、核分裂細胞質分裂が行われるが、ミル、イワヅタ、フシナシミドロなどの体が成長するときには、細胞内で核分裂のみが盛んに行われて細胞質分裂が伴わない。したがって、体は管状あるいは嚢(のう)状の単細胞体となる。変形菌では、多数の単細胞が融合して細胞質を共有し、1個体となる。

吉崎 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android