フシナシミドロ(読み)ふしなしみどろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フシナシミドロ」の意味・わかりやすい解説

フシナシミドロ
ふしなしみどろ
[学] Vaucheria

黄色植物、黄緑藻類の1属。体は分枝した糸状になり、フェルト状に群生する。和名由来は、隔壁のないひとつながりの体内に多核の原形質が入っていることによる。緑色をしているため、古くは緑藻類に入れられていたが、クロロフィルbはなく、また、遊走子と精子鞭毛(べんもう)のつくりが緑藻とは異なることから、現在では黄緑藻類に移された。約40種知られ、淡水にも海水にも産するが、いずれも浅い水辺に生育する。フウセンモはこれとごく近縁の種である。

小林 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フシナシミドロ」の意味・わかりやすい解説

フシナシミドロ(節無水泥)
フシナシミドロ
Vaucheria

黄緑色藻類不等毛類フシナシミドロ目フシナシミドロ科の藻類。古くは緑藻類として扱われたが,新しい分類形式では黄緑色藻類とされている。湿った畑地,淡水の浅い水溝,休耕水田など富栄養の湿土上によくみられる。藻体は径 40~180μmの微細な糸状である。全藻体に隔壁がなく多核体で,多数の色素体をもっているが,生殖時に隔壁を生じて遊走子嚢,生卵器,造精器などを形成する。

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