最新 地学事典 「支笏カルデラ」の解説
しこつカルデラ
支笏カルデラ
Shikotsu caldera
北海道石狩低地帯の南西側にある直径12kmの円形カルデラ。低重力異常型で,ブーゲー異常が中心では周辺より20mGal低い。支笏湖(面積78.7km2,水面高度250m, 最大深度363m)はカルデラ湖。湖盆の北西側には新第三紀の泥岩・砂岩・火砕岩などからなる山地,南東側には火砕流台地。カルデラ形成後,北西~南東方向に恵庭山・フップシ(風不死)岳・樽前山の3火山が噴出し,支笏湖は繭形を示す。支笏カルデラでは約8.5万~4.4万年前の間に2回の大規模噴火と3回の小規模噴火。最後の約4.4万年前の大規模な火砕流を伴うプリニアン噴火では,最初12km3の軽石・火山灰が噴出して東南東に広く堆積(支笏降下軽石堆積物,Spfa-1),次いで総量約100km3の軽石・火山灰が2期にわたって火砕流として噴出(支笏軽石流堆積物,Spfl),最後にスコリア流も発生し,噴出中心にカルデラを生じた。この活動中に噴出物は流紋岩からデイサイト質,さらに安山岩質に変化。Spfa-1は苫小牧市美々で化石林を埋積。Spflは千歳市~苫小牧市西部にかけて大きな河跡を埋積,また部分的に溶結し,札幌軟石として採石。参考文献:M.A.Miyasaka et al.(2020) Quat. Inter., Vol. 562:58
執筆者:勝井 義雄・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

