放射線化学初期過程(読み)ホウシャセンカガクショキカテイ

化学辞典 第2版 「放射線化学初期過程」の解説

放射線化学初期過程
ホウシャセンカガクショキカテイ
radiation-chemical primary process

イオン化放射線によって物質内に起こる初期エネルギー移行過程.光化学のはじまりは,光子分子による共鳴吸収であり,1光子のエネルギーは,すべて1個の分子によって吸収される(A. Einstein(アインシュタイン)の光化学当量の法則).しかし,γ線照射では,光電効果コンプトン効果によって,二次電子が発生する.高エネルギー電子によるイオン化励起光励起とは異なり,空間的に不均一である.その影響は凝縮相でとくにいちじるしく現れる.α線やβ線でも同様である.そのため,イオン化放射線からのエネルギー移行過程では,二次電子の減速スペクトルなどの特有な考察が必要になる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

関連語 法則

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android