故付（読み）ゆえづく

精選版 日本国語大辞典

ゆえ‐づ・く ゆゑ‥【故付】

[1] 〘自カ四〙

① よい家柄の出であるような趣味・感覚・気品・教養などが身についている。趣がそなわる。品格がそなわる。ゆえぶ。

※源氏（1001‐14頃）夕顔「そこはかとなく書きまぎらはしたるもあてはかにゆへつきたれば」

※徒然草（1331頃）四四「つややかなる狩衣に、濃き指貫(さしぬき)、いとゆゑづきたるさまにて」

② 関係がつく。関係する。

※ささめごと（1463‐64頃）上「これは、その物にゆへづきたるを、見なし聞きなしたとへたる、興の句なるべし」

[2] 〘他カ下二〙 由緒ありげな優雅な風趣を身につける。

※源氏（1001‐14頃）帚木「はかなきすさびをも、人まねに心をいるる事もあるに、おのづから一つゆへつけてしいづることもあり」

出典　精選版 日本国語大辞典