数量史(読み)すうりょうし(その他表記)quantitative history

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「数量史」の意味・わかりやすい解説

数量史
すうりょうし
quantitative history

長期的なデータを数量化することによって,社会の展開や人間の行動様式を解明しようとする,新しい歴史学の一手法。計量歴史学,クリオメトリックスとも呼ばれる。数量化されたデータを歴史の中に跡づける方法は近代経済学で行なわれ,数量経済史と呼ばれる一分野を形成している。数量史は,この数量的研究方法を経済史以外の分野に向け社会史の数量化を目指している。最初の本格的な研究は,物価史を通じて社会構造を明らかにすることから始まったが,現在では歴史人口学歴史気候学などの新しい歴史研究分野を開拓するまでに至っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android