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歴史気候学 れきしきこうがくhistorical climatology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歴史気候学
れきしきこうがく
historical climatology

気候の変遷を,歴史をさかのぼって長期的に跡付ける学問。これからの地球上の気候の変化を類推する手掛かりとするため,過去の気候を研究しようとするところに,この学問の現代的な意義があったが,人間と自然とのかかわりを重視する視点から,新しい歴史学を目指す人たちの興味を呼んでいる。アルプス山地などの氷河消長から地球の温暖期と寒冷期を調べたり,地層に残る花粉の分析から植物の生態を浮き彫りにするなどは,その代表的なものである。近年の歴史気候学の研究によれば,江戸時代の大飢饉 (ききん) が起こった時期は江戸小氷期 (これは3つに分けられる) と呼ばれる時期に当たり,冬の寒さが厳しく,夏も寒涼,多雨の気候であったことが明らかにされている。また,フランス革命前夜の 1788~89年は,凶作によって穀物価格が高騰した時期でもあった。気候が歴史の動きを決定するわけではないが,気候の変化に人間がどのように対応してきたかを追求する視点は,歴史の解明に不可欠である。

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世界大百科事典 第2版の解説

れきしきこうがく【歴史気候学 historical climatology】

人間をとりまく自然環境のなかでも,最も重要な要素の一つである気候の変化を,歴史にさかのぼって長期的に後づけようとする学問。古気候学ともいう。自然科学の一分野であると同時に,気候の変化と人間の歴史との関連に注目する点で,歴史学とも深い関係を有する。歴史気候学の研究は,すでに19世紀から始まっているが,近年にいたり,人間と自然との関係があらためて問い直されるなかで,歴史気候学には強い関心が寄せられ,気象学の専門家と歴史家との協力態勢のもとに新たな発展の時期を迎えている。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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