文化の型(読み)ぶんかのかた(その他表記)patterns of culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文化の型」の意味・わかりやすい解説

文化の型
ぶんかのかた
patterns of culture

R.ベネディクトが,彼女が取り上げたいくつかの文化の気風特質としてのエートス相違を説明するために用いた操作概念。北米インディアンについては F.ニーチェの用いた概念を採用し,ニューメキシコ西北部のズニ族の精神的性向は穏やかで競争心がなく中道を生活原理としている「アポロ型」であり,平原インディアンおよび北西部海岸のクワキウトル族の精神的性向は情熱的で競争心が旺盛で優越を最高の美徳とする「ディオニソス型」であると名付けた。一方,東ニューギニアのドブ島民はパラノイア的性向であると分析されている。

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世界大百科事典(旧版)内の文化の型の言及

【ベネディクト】より

…アメリカ・インディアンの実地調査と文献研究をもとに,一つの文化全体を理解するための統合的な方法論を唱えた。どのような個別の文化も,人間一般のもつ潜在的目的や動機という大きな円弧の一部分を占めており,個々の民族文化の特性がどの部分を占めるかという選択的動因を類型化したものが《文化の型Patterns of Culture》(1934)である。また,第2次世界大戦前から戦中にかけて人類学者のおこなったヨーロッパ,アジアの地域統合研究の中から生まれたのが《菊と刀》(1946)である。…

※「文化の型」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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