平原インディアン(読み)へいげんインディアン(その他表記)Plains Indians

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平原インディアン」の意味・わかりやすい解説

平原インディアン
へいげんインディアン
Plains Indians

北アメリカ大陸中部の平原地帯に住む先住民の総称。最も典型的なアメリカインディアンで,コマンチ族アラパホー族クロー族シャイアン族などが含まれる。おもな生業はかつては野牛狩りで,イヌに荷物を引かせて,野牛を追って移動生活をおくっていたが,17世紀中葉スペイン人によってウマが導入されてから著しく機動性を増した。野牛の皮でつくったテントに住み,衣服シカなどの獣皮でつくった。しかし白人の移住によって今日では伝統的な生業形態はまったく失われた。白人渡来後,従来の小集団はコマンチ族を除き首長のもとに統合された。政治組織は首長のもとに警察の役目をする戦士集団があり,法的統制力も強固であった。宗教儀礼太陽踊りが重要で,戦争の勝利,民族の繁栄,安寧を祈願した。白人渡来後のゴースト・ダンスの発達は,新たな環境に適応するための一種の土着主義運動ともいえるが,宗教運動として白人との武力抗争にまで発展した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「平原インディアン」の意味・わかりやすい解説

平原インディアン
へいげんいんでぃあん
Plains Indians

北アメリカ西部のロッキー山脈から中部のミシシッピ川にかけての大平原で生活していた北アメリカ先住民(アメリカ・インディアン)の総称。北米平原先住民ともいう。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の平原インディアンの言及

【棺】より

…ニュージーランドのマオリ族の首長用木棺は彫刻した鳥の形につくられ,羽翼があり,水かき足をそなえ,かつ人面もみられる。
【アメリカ大陸】
 北アメリカの平原インディアンは死体をただバイソン皮造りの衣装にきつくつつみこむだけであり,他の諸族は最高に着飾らせた死体を置く〈死者の家〉というのを建造するにとどまるが,カヌーを棺として葬る習俗はカナダ東部の沿海地方の辺地に住む人々のあいだに見られる。メキシコのサポテコ・インディアンは大形の甕棺を用い,地下坑室に安置する。…

※「平原インディアン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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