朝日日本歴史人物事典 「文室秋津」の解説
文室秋津
生年:延暦6(787)
平安前期の官人。文室大原の第4子。父や兄綿麻呂と同様武官として活躍し,『続日本後紀』には,「非違を監察するに最もこれその人なり。また武芸を論ずる 驍将 と称するに足る」とある。もっとも酒は弱く,杯に3,4杯も飲めば酔泣するのが癖の泣き上戸で,「丈夫に非ざるに似る」などと皮肉られている。天長6(829)年従四位下で参議に抜擢されたが,承和の変(842)に連座(ときに春宮坊大夫)して出雲員外守に左降され,8カ月ののち配所で没した。
(瀧浪貞子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報