文室秋津(読み)ふんやのあきつ

朝日日本歴史人物事典 「文室秋津」の解説

文室秋津

没年:承和10.3.2(843.4.5)
生年延暦6(787)
平安前期の官人。文室大原の第4子。父や兄綿麻呂と同様武官として活躍し,『続日本後紀』には,「非違を監察するに最もこれその人なり。また武芸を論ずる 驍将 と称するに足る」とある。もっとも酒は弱く,杯に3,4杯も飲めば酔泣するのが癖の泣き上戸で,「丈夫に非ざるに似る」などと皮肉られている。天長6(829)年従四位下で参議に抜擢されたが,承和の変(842)に連座(ときに春宮坊大夫)して出雲員外守に左降され,8カ月ののち配所で没した。

(瀧浪貞子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「文室秋津」の解説

文室秋津 ふんやの-あきつ

787-843 平安時代前期の公卿(くぎょう)。
延暦(えんりゃく)6年生まれ。文室大原の4男。文室綿麻呂の弟。天長7年参議。検非違使(けびいし)別当,右衛門督(かみ)などをつとめたが,承和(じょうわ)9年承和の変に関係して出雲(いずも)員外守(かみ)に左遷され,10年3月2日配所で死去。57歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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