断熱火炎温度(読み)ダンネツカエンオンド

化学辞典 第2版 「断熱火炎温度」の解説

断熱火炎温度
ダンネツカエンオンド
adiabatic flame temperature

可燃性の混合気体の燃焼によって生じる火炎温度は,熱線法や光学法などによる測定,あるいは発熱量生成物熱容量を基礎にした計算から求めることができる.後者において燃焼反応は完了し,化学平衡熱平衡が成立しているものとして,生成物の種類と濃度を平衡計算から求め,また,外部への熱損失はないとして得た火炎温度を断熱火炎温度という.与えられた混合系に対する重要な燃焼特性の一つで,燃焼により得られる最高温度を示す.多くの炭化水素では2000 ℃ 前後の値となり,実測に比べて,100~200 ℃ 高いことが多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の断熱火炎温度の言及

【燃焼】より

…このような予混燃焼における火炎の温度は,可燃性ガスや酸化剤の種類,濃度その他によって変わるが,一般に混合組成が化学量論比(当量比=1)のときに最高となり,濃度がこれより大きくなっても小さくなっても降下する。表に代表的な可燃性ガスについて,予混炎の最高温度を示したが,この温度は反応により生じた熱が火炎の外にまったく逃げないとしたときの計算値で,しばしば断熱火炎温度と呼ばれる値である。また予混炎の発光は火炎面の中で起こっている反応に基づく化学発光であり,OH,C,CHなどを発光源とする帯スペクトルから成る。…

※「断熱火炎温度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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