新制度学派(読み)しんせいどがくは(その他表記)New Institutionalists,Neo Institutionalists

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新制度学派」の意味・わかりやすい解説

新制度学派
しんせいどがくは
New Institutionalists,Neo Institutionalists

経済における制度や組織の重要性を強調する一群の経済学者たちの学派一口に新制度学派といっても中身はさまざまで,以下の2種類に大別できる。 (1) T.ベブレン以来の旧制度学派で,拮抗力テクノストラクチュアで知られる J.K.ガルブレイスや G.ミュルダールの一連の著作がここに属する。彼らにとって制度は経済の論理外部から制約する与件であり,それ自体は説明されないものとしてある。ゆえにその制度は経済学の論理と対立的に論じられる。 (2) 基本的には主流派の経済学の論理を用いながら,制度を合理的に形成されたものとしてみて,制度自体の論理を明らかにしようとする人々である。このグループにとって制度は経済学の論理と対立するものではない。その嚆矢 (こうし) となったのは,企業の本質についての R.コースの 1937年論文であり,それ以外に,取引費用の経済学で有名な O.ウィリアムソンや経済史の D.C.ノースがいる。

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世界大百科事典(旧版)内の新制度学派の言及

【制度学派】より

…その数量分析が制度主義的とみなされるのは,ミッチェルにおいても,産業industryと営利企業business,あるいは財生産making goodsと金もうけmaking moneyの区別というベブレン流の制度理解があったからである。 これら3者にJ.M.クラークやG.C.ミーンズらを加えて旧制度学派とよび,《豊かな社会》のJ.K.ガルブレースや《アジアのドラマ》のK.G.ミュルダールらのように,より包括的かつ現代的な問題意識をもった経済学者たちを新制度学派とよぶのが普通である。つまり後者にあっては,〈生活の質〉とか南北問題といったような新たな論点に関心がそそがれている。…

※「新制度学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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