新恩(読み)しんおん

精選版 日本国語大辞典 「新恩」の意味・読み・例文・類語

しん‐おん【新恩】

  1. 〘 名詞 〙 新しい恩。特に将軍天子などから新たに所領や土地支配権、位等を恩賞としてもらうこと。
    1. [初出の実例]「贈爵の新恩は銘石に刻む、獲麟の後集は世丘を知る〈大江以言〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
    2. 「新恩(シンヲン)の地、大庄一所没収せらる」(出典太平記(14C後)三九)
    3. [その他の文献]〔劉長卿‐送柳使君赴袁州詩〕

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普及版 字通 「新恩」の読み・字形・画数・意味

【新恩】しんおん

初恵。

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世界大百科事典(旧版)内の新恩の言及

【恩給】より

…鎌倉幕府はその成立にあたって,御家人が以前からもっていた本領の権利を保障するとともに,新たに所領を恩賞として与えた。前者を安堵といい,後者を新恩という。これら安堵,新恩をあわせて恩給というが,時に新恩のみをさす場合もある。…

【御家人】より

…とくに西国の場合,荘園領主は荘官らが御家人となり二重の支配関係に入るのを忌嫌,紛糾したので,頼朝も1192年(建久3)ころには御家人となることを望まぬものは非御家人として区別し,御家人のみに諸役を負担させることにした。御家人は守護職,地頭職等の所職に補任され,働きに応じて本領を安堵されるほか,所領を与えられ(新恩),朝廷への官位の推薦をうけ,裁判等の際にも保護が加えられるなど恩恵が施された(御恩という)が,非御家人はこれらの恩典の対象外とされた。御恩に対する奉公として御家人は戦時には軍陣に臨んで忠勤を励み,平時でも京都大番役鎌倉大番役,在京篝屋(かがりや)番役,異国警固番役,供奉随兵役等の軍役を務め,経済上の負担(関東公事(くうじ))として将軍御所修造用途,寺社修造祭礼用途,流人官食等が定められていた。…

※「新恩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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