新鄭古墓(読み)しんていこぼ(その他表記)Xīn zhèng gǔ mù

改訂新版 世界大百科事典 「新鄭古墓」の意味・わかりやすい解説

新鄭古墓 (しんていこぼ)
Xīn zhèng gǔ mù

中国,河南省新鄭県の県城内南東隅で,1923年に発見された春秋時代の墓。そこには長さ16m,幅7mほどの長方形木槨が存在したと推定され,槨室の中央からは人骨が発見され,多数青銅器が槨室の北側に置かれていた。ほかに陶器,玉器,貝貨,獣牙も出土した。青銅器の多くは,開封の博物館に収められた。銘のある青銅器は鑪のみで,〈王子嬰次之燎鑪〉とある。この王子嬰次に関して,郭沫若は鄭の一族の子儀嬰斉のこととし,墓も彼のものと推定しているが,王国維は楚の宰相となった子重嬰斉に比定している。最近の諸研究によると,河南,山西方面にも楚,呉,越と共通性をもつ遺物の発見が少なくないので,〈王子嬰次之燎鑪〉が楚と関係のある器物であってもおかしくない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新鄭古墓」の意味・わかりやすい解説

新鄭古墓
しんていこぼ
Xin-zheng gu-mu

中国河南省新鄭で 1923年に発見された春秋時代の墓。長方形で木槨のある墓から,井戸掘り工事の際,多数の青銅器が出土し,その後発掘を行い,編鐘,はく,鼎,鬲,げん,しゅ,き,罍,虎か,壺,盤,いのほか,武器類など数多くの青銅器が発見された。

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