方分く(読み)カタワク

デジタル大辞泉 「方分く」の意味・読み・例文・類語

かた‐わ・く【方分く】

[動カ四]
歌合わせ・くらべ馬などで、人数左右に分ける。双方に分ける。
上達部御子達、―・きて競べ給ふ」〈宇津保・祭の使〉
別々にする。異にする。
「かく御心少しづつは―・かせ給へれど、上も宮も劣らず」〈栄花・殿上の花見
[動カ下二]1に同じ。
「梅と桜の造り枝百人づつ―・けてふりかたげ」〈浄・国性爺

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「方分く」の意味・読み・例文・類語

かた‐わ・く【方分】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
    1. 歌合(うたあわせ)競馬(くらべうま)など、二組に分かれて争う競技で、人々を左右の組に分ける。相手の組とこちらの組とに分ける。
      1. [初出の実例]「有心とおもひける人ども、たなばたのあひての後おもふらむことを題にて、日のうちに歌よみつつかたわきてあはせたる」(出典:延喜十六年庚申亭子院殿上人歌合(916))
    2. (心を寄せるところなどを)異にする。差別する。
      1. [初出の実例]「みえもせぬふかきこころをかたわくは人にかちぬとおもふものかは」(出典:伊勢集(11C後))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 二手に分ける。
    1. [初出の実例]「梅と桜の造花、百人づつかたわけてふりかたげ、左右に召具し」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一)

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