日原町
にちはらちよう
面積:一六七・二四平方キロ
鹿足郡の北部に位置し、東は安蔵寺山(一二六三・二メートル)・燕岳(「つばくろがたけ」ともいう。一〇七八・七メートル)・三子山(七九九・七メートル)を境に美濃郡匹見町、北は益田市、西は津和野町、南は津和野町・柿木村・六日市町に接する。町の南部から津和野川が北東へ、吉賀川が北西へ流れ、中央の日原で合流して高津川となり北流する。津和野川・高津川に沿って国道九号が津和野から当地を経て益田市へ向かい、枕瀬で国道一八七号が分岐し、吉賀川に沿って南の柿木方面へ通じる。国道九号と並行してJR山口線が通り、日原・青原・東青原の三駅がある。縄文時代の石器や土器の破片が日原赤岩や一ノ峠などから散在的に、池村三渡から須恵器の長頸壺が出土している。当初は美濃郡に属していたが、承和一〇年(八四三)美濃郡を分割して新設された鹿足郡に属することとなった。「和名抄」の同郡能濃郷に含まれたと思われる。弘安五年(一二八二)吉見頼行が能登から西石見へ下ると、能濃郷の系譜を引く野々郷はその所領となった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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