日和村(読み)ひわむら

日本歴史地名大系 「日和村」の解説

日和村
ひわむら

[現在地名]石見町日和

日貫ひぬい村の北、京太郎きようたろう山・とび山・帆柱ほばしら山・松原まつばら山などの高山に囲まれた標高三四〇メートル前後の日和盆地に立地。盆地中央を西流する日和川中流は美しい峡谷美を形成、千丈せんじよう渓センジヨウケイ(千畳渓とも記す)と称し国指定名勝、県立自然公園になっている。

〔中世〕

天文一九年(一五五〇)六月一二日の小笠原長雄判物写(清水家文書)によると、小笠原氏被官の横道氏に以前給所として与えられた「日和村之内下藤名五貫文」を改めて安堵している。しかし同二〇年石見守護であった周防大内義隆滅亡し、石見国内が混乱に陥るなかで日和に国人福屋氏が進出を始める。同二二年一二月二一日、福屋勢は日和村に対して軍事行動を起こし、小笠原勢と衝突した(同年一二月二八日「小笠原長雄感状」平田家文書など)両者の衝突は毛利氏が石見に本格的に入った弘治二、三年(一五五六、五七)に至っても続き(同三年五月二日杉原盛重感状「知新集」所収文書)、福屋氏に加勢した毛利氏側の備芸衆も日和を落すため戦闘を継続している(五月六日「毛利隆元自筆感状」毛利家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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