朝日日本歴史人物事典 「日弁」の解説
日弁
生年:延応1(1239)
鎌倉後期の日蓮宗の僧。法華経行者の精神である死身弘法,折伏逆化を実践した。日蓮の孫弟子,日興の弟子。越後房と号す。駿河(静岡県)の出身。初め駿河富士郡の真言宗滝泉寺に学ぶが日蓮,日興に改宗入信し,富士郡熱原地方に日蓮の教えを広める。弘安2(1279)年の「熱原法難」の際は農民救出に活躍。日蓮の滅後,祖廟輪番を務める一方,正応2(1289)年に北条久時を折伏教化して上行寺を創立する。乾元1(1302)年から延慶年中(1308~11)には常陸(茨城県),奥州地方に帰伏改宗の行脚。応長1(1311)年,法論折伏を逆うらみする暴徒により殺害される。<参考文献>高木豊『日蓮とその門弟』
(佐々木馨)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報