ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンフォール」の意味・わかりやすい解説
モンフォール
Montfort, Simon de, Earl of Leicester
[没]1265.8.4. イギリス,イーブシャム
イギリスの貴族。フランスの名門モンフォール家の出身。1229年イングランドに渡り,1239年祖父の結婚以来共同相続人となっていたレスター伯となる。国王ヘンリー3世の寵臣として,1238年王妹エリナーと結婚。1239年貴族の反感により追放され,1240~42年十字軍に参加。その後,南フランスのイギリス領ガスコーニュの反乱鎮定に派遣され,秩序回復に功があったが,この地の貴族とヘンリー3世が結んでモンフォールの駆逐をはかったため,フランスに退き,ルイ9世の十字軍出征中の摂政となった。帰国後,1258年急進派バロン(諸侯)の先頭に立ち,王権の制限をうたう画期的なオックスフォード協約を王に強制した。のち保守派バロンと国王が結託したため孤立し,一時国外に去ったが,協約を破棄した国王に対するバロンたちの不満がつのったのを機に帰国,再び反乱を組織し(→バロン戦争),1264年ルイスの戦いでヘンリーを破り,捕虜にし,事実上のイングランド支配者となった。1265年議会を招集,これは貴族,聖職者のほか,州の騎士,市民を含み下院の始まりとされている。しかし,保守派バロンと国王側の反撃にあい,イーブシャムの戦いで敗死した。
モンフォール
Montfort, Eugène
[没]1936
フランスの詩人,小説家。代表作は小説『病む心』 Les Cœurs malades (1904) 。また雑誌『余白』 Les Margesを創刊し,多くの詩人を世に送り出した。『NRF』誌の創刊に参加したが,ジッドと争い袂を分った。
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