国指定史跡ガイド 「旧豊宮崎文庫」の解説
きゅうとよみやざきぶんこ【旧豊宮崎文庫】
三重県伊勢市岡本にある図書館跡。伊勢市街地の南、伊勢神宮外宮(げくう)の東隣に位置し、内宮(ないくう)にいたる旧参宮道から少し南に入った場所にあって、左右に築地塀のある本瓦葺きの棟門と当時の敷地の大部分が残っている。外宮祠官(しかん)(神社に仕える神職)の学問所であり、内宮の林崎文庫とともにわが国における図書館史上で異彩を放つ施設である。1648年(慶安1)に、外宮権禰宜(ごんねぎ)(神主の下の神職)だった出口延佳(のぶよし)や山田三方(さんぽう)、祠官、町年寄らにより、外宮祠官の修学の場として書庫や講堂が建造されて、毎月一定日に講義を開いていた。かつての規模は不明だが、来賓用の大観社や出口延佳霊社などがあった。1923年(大正12)に国の史跡に指定された。JR参宮線ほか伊勢市駅から徒歩約7分。