早物(読み)はやもの

精選版 日本国語大辞典 「早物」の意味・読み・例文・類語

はや‐もの【早物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 葬儀に用いる諸道具の総称。葬具。
    1. [初出の実例]「拝島宿にはやものありといふ札あり、いかなるものぞととへば葬具なりといふ」(出典:随筆・向岡閑話(1808))
  3. 船で用いる麻縄。苧綱(おづな)
    1. [初出の実例]「綱、早物(ハヤモノ)〈此早物といふは苧縄にて綱の類なり〉を出して船を繋ぎ留べしと働く内」(出典北夷談(1822頃)二)
  4. 雅楽で、早拍子・早只拍子の拍節法をとる曲。
    1. [初出の実例]「北庭楽〈略〉早物也」(出典:教訓抄(1233)三)
  5. 馬がかかる病気。
    1. [初出の実例]「秘蔵馬〈葦毛〉自朝むつけ了。仍召白楽見之処、早物也」(出典:経覚私要鈔‐享徳二年(1453)二月二六日)

わさ‐もの【早物】

  1. 〘 名詞 〙 野菜果物などの、季節より早くできるもの。はしり。はしりもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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