明照寺(読み)みようしようじ

日本歴史地名大系 「明照寺」の解説

明照寺
みようしようじ

[現在地名]彦根市平田

妙法山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。寺伝によれば、明徳四年(一三九三)祐海によって開基され、もとは後谷うしろだに(現滋賀県多賀町)にあり、山脇やまのわき(現彦根市)を経て元禄一四年(一七〇一)現在地に移転したという。寛政四年末寺帳には平田ひらたほかに「山之脇村明照寺旧地」が記載されているので、山脇村にも寺基の一部が残っていたものと思われる。明応四年(一四九五)三月と同六年四月に実如が下付した阿弥陀絵像裏書(彦根市長照寺・甲良町法専寺蔵)には「山脇明照寺門徒」とあり、すでに山脇に寺基を移していたと思われる。また天正一九年(一五九一)の下坊主覚(西本願寺蔵)には、越前和田本覚わだほんがく寺の与力として犬上いぬかみ郡に「ヒラタ明照寺」とあり、寺伝でいう元禄一四年以前に寺基を移していたようである。坊主衆(「西光寺古記」西本願寺蔵)には「江州平田明照寺、あくた河、紋ハ蝶、後浅井ヨリ梅ばち」とあり、祐善・了勝・信了・了縁・了宗・了超と実如の時代以来の歴代住持が記される。歴代のうち了勝については、「天文日記」天文一二年(一五四三)八月二六日条に「為斎於親了通志、明(照)了勝令調備之」とあり、住職時期が判明する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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