是非無い(読み)ゼヒナイ

デジタル大辞泉 「是非無い」の意味・読み・例文・類語

ぜひ‐な・い【是非無い】

[形][文]ぜひな・し[ク]
当否善悪判断にかかわらない。しかたがない。やむを得ない。「―・く中断する」
しゃにむに事を行うさま。
「かくいふ夫を、逃げてくだるぞと心得て―・くしかりて」〈著聞集一六
言うまでもない。当然である。
物狂ひの出で立ち、似合ひたるやうに出で立つべき事、―・し」〈花伝・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「是非無い」の意味・読み・例文・類語

ぜひ‐な・い【是非無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ぜひな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 善悪にかかわらない。よいわるいの判断を持たない。ひたすらである。
    1. [初出の実例]「中宮は若宮の御事の定りぬるを、例の人におはしまさば、ぜひなく嬉しうこそはおぼしめすべきを」(出典:栄花物語(1028‐92頃)岩蔭)
    2. 「兵四人進み出て数千騎扣(ひか)へる敵の中へ、無是非(ゼヒなク)打って懸りけり」(出典太平記(14C後)八)
  3. しかたがない。やむを得ない。是非もない。
    1. [初出の実例]「大和・河内両国物忩、無是非次第也」(出典:大乗院寺社雑事記‐文正元年(1446)一〇月五日)
    2. 「御ひまをとへば、だんだんやくそくつづきて、此月中はならずといふ。さてもぜひないこんだ」(出典:評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667か)みはる)
  4. 当然である。いうまでもない。
    1. [初出の実例]「物狂の出立、似合ひたるやうに出立つべき事、ぜひなし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)

是非無いの派生語

ぜひな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

是非無いの派生語

ぜひな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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