佐多稲子(さたいねこ)の短編連作集。1975年(昭和50)『文芸』1~12月号に連載。76年河出書房新社刊。同年6月『時に佇つ(その一一)』で川端康成(かわばたやすなり)文学賞を受賞。長い間、政治活動に参加し、心労多く71歳まで生きてきた「『私』の過去にあったことが、再(ふたた)び、今自分に結びついてきたことに『時』というモチーフを得て」これらの12の短編が書かれた。とくに、(その一一)は、20年人生をともにし、別れて後30年になる夫の死が報じられて、自然に導かれていく境地がくまなく描写される。そこには人と人との機縁によってつくられていく人生の奥行がみごとに映し出され、作者の到達しえた人生認識が伝えられる。
[岡 宣子]
『『時に佇つ』(河出文庫)』
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新