晩婚化(読み)ばんこんか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「晩婚化」の意味・わかりやすい解説

晩婚化
ばんこんか

平均初婚年齢が高くなっていく傾向。また,社会通念としての結婚適齢期より遅く結婚することを晩婚というが,この場合の結婚適齢期とは時代や文化集団ごとに異なるため,客観的な定義が難しい概念でもある。日本では,1970年の平均初婚年齢は男性 27.46歳,女性 24.65歳であった。2010年現在の平均初婚年齢は男性 31.18歳,女性 29.69歳と,この 40年で男性で 3歳以上,女性で 5歳以上の上昇がみられ,生涯未婚率は男性 20.14%,女性 10.61%と大幅に上がっている。内閣府が行なった 2013年の「家族と地域における子育てに関する意識調査」では,20~39歳の未婚者のうち,結婚したいと答えた人は 85.2%で,男性 79.0%,女性 91.9%であった。さらに,同調査で日本の若い世代のなか未婚や晩婚が増えている理由を 20~70代の男女に尋ねたところ,男性 20代の 7割,同 30代の 6割弱が経済的に余裕がないことをあげるなど,結婚後男性に期待される経済的責任の重さが晩婚化の大きな要因として指摘できる。一方,女性は 20代から 60代までの 6割が独身の自由さや気楽さを失いたくないからと答えるなど,結婚後の家事育児などの家族的責任の重さが結婚を躊躇する要因とみられる。(→婚姻婚姻制度

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