智順(読み)ちじゅん

改訂新版 世界大百科事典 「智順」の意味・わかりやすい解説

智順 (ちじゅん)

平安後期(12世紀中ごろ)に活躍した絵仏師生没年不詳。1131年(天承1)鳥羽成菩提院の仏後壁に九品曼荼羅を描いた記録を初めとし,35年(保延1)鳥羽勝光明院造立に際して,応源と共に彩色や柱絵の制作に当たった。白河金剛勝院(1143),鳥羽金剛心院(1154)などの造立に参加し,49年,52年には《両界曼荼羅》を描いた。主に鳥羽院政下の仏寺造立に画業ふるい,法眼・法印の位に上った。密教画の制作を得意としたが,現存する作例はない。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「智順」の解説

智順 ちじゅん

?-? 平安時代後期の絵仏師。
天承元年(1131)山城(京都府)鳥羽の鳥羽殿(院御所)内につくられた成菩提院の仏後壁に九品曼陀羅をえがく。保延(ほうえん)元年応源とともに勝光明院の彩色や柱絵の制作にあたり,久寿元年には金剛心院の柱絵をえがくなど,鳥羽院院政下の寺院造立につくした。法印。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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