日本大百科全書(ニッポニカ) 「暖色・寒色」の意味・わかりやすい解説
暖色・寒色
だんしょくかんしょく
色を心理的効果によって分類した呼称。暖色とは暖かい感じを与える色で、赤みの強い色相がこの系列に入る。寒色は冷色ともいって、寒い感じを与える色で、青みの多い色相がこの系列に入る。一般的傾向として、暖・寒の効果は色相に大きく支配され、色相が赤から青に変化するにしたがい、暖かい感じから寒い感じに変わる。それぞれの色相を簡単に分類すると次のようになる。
暖色系=赤紫・赤・橙(だいだい)・黄
寒色系=青緑・青・青紫
中性色系=黄緑・緑・紫
以上は彩度の高い色相についての分類であるが、一般に彩度の高い色は暖・寒の感じが強く、彩度が低くなるとその感じも弱まる。また、明度の変化によっても左右されるが、一つの傾向として、明るい色には寒い感じがあり、暗い色では暖かい感じが強くなる。とくに無彩色系列にその感じが強いといえる。
[雨宮政次]