(読み)いろ(英語表記)colour

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


いろ
colour

ヒトの眼に見える可視光は波長 380~780nmの範囲にある。光のエネルギーが狭い波長範囲に集中した単色光では,波長の長いほうから順に赤,橙,黄,黄緑,緑,青,紫の色感を与える。白色光ではあらゆる波長の光がほぼ一様に分布している。光の波長分布がわかれば色が決まるが,逆に色がわかってもその光の波長分布は決まらず,一つの色を与える波長分布は無限にある。このように色は単純な物理量ではなく,生理的・心理的な感覚量である。三色説では,赤,緑,青紫の三原色の色刺激に感じる 3種の受光器(錐状体)が眼に存在していると仮定し,これら三つの色刺激が混合して色感を生じると考える。この説を確証するものとして,1960年代に進歩した顕微分光測光の技術により,長波長(赤),中間波長(緑),短波長(青紫)の光で最大の吸収を示す 3種の錐状体の存在が確認されている。色感には,ほかにヘリングの色覚説,四原色説,五原色説などもあり,それぞれを支持する実験事実もあって,確立された色覚説はいまだにない。
一つの色は種々の波長の光を適当に加減してつくることができ,混色の方法も一義的に定まらないが,指定された三つの色光の混合によってつくるとすれば混色の割合が一義的に定まる。色光を定量的に表示するのに用いられる CIE表色系は国際照明委員会 CIEが設定し,国際的に協約された三つの原色光の混合による表示法である。物体の色は表面からの反射光の色であって,その明るさは表面の反射率によって決まる。表面色は,視覚の心理的感覚を表す三つのパラメータ,明るさを表す明度,色の質を表す色相彩度飽和度)を用いても体系化される。1915年アルバート・H.マンセルはそれに基づいて多数の標準色票を作成した(→マンセルの表色系)。これらを三次元的に配列したものを色立体という。試料片の表面色を指定するには,試料表面と標準色票との色を標準光源の照明のもとで眼視比較し,色が一致した色票の番号で示す。CIE表色法では,三つのパラメータに対応する量として順に視感反射率,主波長,純度を用いて定量的に色を扱う。主波長と純度で表示される色の質(色度)を二次元図で表現したのが色度図である。
色は絵画として昔から親しまれ,塗料,染色物,カラー印刷物,カラー写真,カラーテレビジョンなどとして生活環境を形成し,また心理的・生理的にも現代生活に深く関与しているが,前述のような標準的な表色法が確立されたのは 1930年代のことである。


しき
rūpa

仏教用語。 (1) 五蘊うちの色蘊。生成,変化する物質的存在の総称。 (2) 狭義には物的存在の諸属性のうちの「いろ」と「かたち」をさす。眼根の対象となるもので,色境,色処,色界をいう。

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デジタル大辞泉の解説

いろ【色】

[名]

㋐光の波長の違い(色相)によって目の受ける種々の感じ。原色のほか、それらの中間色があり、また、明るさ(明度)や鮮やかさ(彩度)によっても異なって感じる。色彩。「が薄い」「暗い」「落ち着いた
㋑染料。絵の具。「を塗る」「がさめる」
㋒印刷・写真で、白・黒以外の色彩。「刷り」
人の肌の色。人の顔の色つや。「抜けるようにの白い人」

㋐表情としての顔色。「驚きのが見える」「不満がに出る」
㋑目つき。目の光。「目のを変えて怒りだす」

㋐それらしい態度・そぶり。「反省のが見られない」
㋑それらしく感じられる趣・気配。「秋のの感じられる昨今」「敗北のが濃い」
㋒愛想。「よい返事」
(「種」とも書く)種類。「とりどり」「三(み)選び出す」
華やかさ。華美。「大会にをそえる」
音・声などの響き。調子。「琴の音(ね)の」「声(こわ)

㋐情事。色事。「を好む」「に溺れる」
㋑女性の美しい容貌。「に迷う」
㋒情人。恋人。いい人。「をつくる」
古代・中世、位階によって定められた衣服の色。特に、禁色(きんじき)
「昔、公おぼして使う給ふ女の、―許されたるありけり」〈伊勢・六五〉
10 喪服のねずみ色。にび色。
「女房なども、かの御形見の―変へぬもあり」〈・幻〉
11 婚礼や葬式のとき上に着る白衣。
「葬礼に―を着て供して見せ」〈浄・博多小女郎
12 人情。情愛。
「東人(あづまうど)は…げには心の―なく、情おくれ」〈徒然・一四一〉
[形動ナリ]
女性の髪などがつややかで美しいさま。
「髪、―に、こまごまとうるはしう」〈・二〇〇〉
好色なさま。
「この宮の、いとさわがしきまで―におはしますなれば」〈・浮舟〉

しき【色】

仏語。
五蘊(ごうん)の一。五感によって認識される、物質や肉体。存在物。もの。
五境の一。目でとらえられるもの。色や形のあるもの。

しき【色/拭/織/職】[漢字項目]

〈色〉⇒しょく
〈拭〉⇒しょく
〈織〉⇒しょく
〈職〉⇒しょく

しょく【色】

[接尾]
助数詞。色数(いろかず)を数えるのに用いる。「三かけ合わせ」「二四の色鉛筆」「三刷り」
名詞に付いて、その様子がみられる、傾向があるなどの意を表す。「郷土豊かな祭り」「対決を強める」

しょく【色】[漢字項目]

[音]ショク(漢) シキ(呉) [訓]いろ
学習漢字]2年
〈ショク〉
いろ。「寒色原色染色着色配色白色発色変色
感情の現れた顔の様子。顔いろ。「顔色気色喜色愁色生色難色憂色令色
女性の美しい顔かたち。「国色才色容色
男女間の情欲。セックス。「漁色好色酒色男色(だんしょく・なんしょく)売色
ものの様子。おもむき。「異色古色秋色出色潤色遜色(そんしょく)特色敗色暮色国際色
〈シキ〉
いろ。「色感色彩色紙色素色調禁色(きんじき)金色(こんじき)彩色
顔いろ。「気色(けしき)
セックス。「色情色魔色欲
ものの様子。「景色(けしき)
形に現れた一切のもの。物質的存在。「色界色心色即是空(しきそくぜくう)
〈いろ〉「色糸色気毛色茶色音色(ねいろ)旗色
[名のり]しこ

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百科事典マイペディアの解説

色【いろ】

光の波長に関するエネルギーの差によって質の差が認められる視覚を色覚といい,色覚を起こす光を色刺激というが,色とは色覚と色刺激の両方をさす。また,光源または物体の特性も表す(光源色,物体色)。波長約380nm〜810nmの単波長の光は順に紫青緑黄赤などの色(スペクトル色)を呈する(可視光線)が,現実の光は種々の波長の光を含み,その混合の割合(光の分光組成)で色が決まる(加法混色減法混色)。物体の色はふつう可視光線の一部を(選択)吸収して残りを反射または透過するため生ずる。色は色相明度彩度の三基本属性をもち,それらの数値により正確に表示される(オストワルト表色系,CIE表色系,色名マンセル表色系)。
→関連項目NTSC方式原色

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

しき【色】

岐阜の日本酒。燗酒が好きだったという芸術家池田満寿夫とともに商品企画された本醸造酒。ラベルデザインも池田による。味わいは飲みあきしない辛口。原料米はひだほまれ。仕込み水は飛騨山脈伏流水。蔵元の「老田酒造店」は享保年間(1716~1736)創業。所在地は高山市清見町牧ヶ洞。

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世界大百科事典 第2版の解説

いろ【色 color】

私たちは物を見るときその形を知覚するが,黄だとか青だとか,あるいは赤だとかの色も同時に知覚する。このように色とは私たちの目が光に対して感ずる知覚の一つであると表現することができよう。光が目に入る,網膜視細胞がこの光を吸収する,そして電気的反応が生じて大脳へ送られる,色を知覚する大脳の細胞が興奮する,そして色を感ずる。このようにいうこともできる。つまり色は目の働きによって生ずる。したがって当然のことながら目を閉じると色は見えない。

しき【色】

仏教用語で物質のこと。物質を表すのに仏教ではサンスクリット語でルーパrūpaという語を用いるが,この語は色と漢訳される。物質といっても現代でいう原子・分子からなる事物を意味するのではない。それは(1)同一空間に2者が共存できないもの(質礙(ぜつげ)),(2)変化して壊れてゆくもの(変壊(へんね)),(3)悩まされるもの(悩壊(のうえ))という三つの性質を備えたものとして次のようなものを色と考える。まず五蘊(ごうん)のなかの一つである色蘊の色とは,こころに対応する物質的なるものの総称であり,具体的には五根(眼,耳,鼻,舌,身の五つ感覚器官)と五境(色,声,香,味,触の五つの感覚対象)と無表色(戒体など具体的に知覚されない物質的なるもの)との11種がある。

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大辞林 第三版の解説

いろ【色】

[2] ( 名 )
光による視神経の刺激が脳の視覚中枢に伝えられて生ずる感覚。色相(色あい)・明度(明るさ)・彩度(あざやかさ)の三属性によって表される。また、特に白や黒を除いていう場合もある。色彩。 「海の-」 「明るい-」 「いい-に上がる」
物の表面に表れている、そのものの状態。
顔色。また、表情。 「 -に出る」 「 -をなす」 「 -を変えて怒る」
様子。情趣。 「 -を添える」 「秋の-が深まる」
(声などの)調子・響き。 「声こわ-」 「音-」
きざし。 「あせりの-が見える」 「敗戦の-が濃い」
心のやさしさ。情愛。 「心の-なく、情おくれ/徒然 141
容姿。姿。 「傍への-異なる人を御覧じても/太平記 18
男女の情愛に関する物事。
男女間の情事・恋愛。 「英雄-を好む」 「 -の道に通ずる」 「 -を売る」
情人。恋人。
遊女。
遊里。
特定の色彩に関するもの。
禁色きんじき。 「女の-許されたるありけり/伊勢 65
白色の喪服。 「葬礼に-を着て供して見せ/浄瑠璃・博多小女郎
種類。 「 -とりどり」 「目に見ゆる鳥けだ物、-をもきらはず殺し食へば/宇津保 俊蔭
( 形動ナリ )
(女性の髪などが)美しく艶つやのあるさま。 「御髪-にて/源氏 竹河
好色なさま。 「いと-なる御心ぐせにて/大鏡 師輔
風流なさま。 「 -なる御心には、をかしくおぼしなさる/源氏 総角

しき【色】

〘仏〙
五蘊ごうん・五位の一。物質的な存在。 ⇔
目で見ることのできるもの、すなわち色いろと形。

しょく【色】

( 接尾 )
助数詞。いろの種類を数えるのに用いる。 「二-刷り」

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精選版 日本国語大辞典の解説

いろ【色】

[1] 〘名〙
[一] 物に当たって反射した光線が、その波長の違いで、視覚によって区別されて感じとられるもの。波長の違い(色相)以外に、明るさ(明度)や色付きの強弱(彩度)によっても異なって感じられる。形などと共に、その物の特色を示す視覚的属性の一つ。色彩。
① その物の持っている色彩。
※書紀(720)雄略七年是歳(前田本訓)「鉛花弗御(イロもつくろはず)蘭沢(か)も加(そ)ふること無し」
※万葉(8C後)五・八五〇「雪の伊呂(イロ)を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも」
② ある定められた、衣服の色彩。
(イ) 中古、階級によって定められた、衣服の色。特に、殿上人以上が着用を許された禁色(きんじき)をいう。→色(いろ)許さる
(ロ) (天子が諒闇(りょうあん)の喪にこもる「いろ(倚廬)」からかともいう) 喪服のにび色。
※源氏(1001‐14頃)乙女「宮の御はても過ぎぬれば、世中いろ改まりてころもかへの程などもいまめかしきを」
(ハ) 近世、婚礼や葬儀の際、近親者が衣服の上に着用した白衣をいう忌み詞。今も全国に広く点在する。
※日葡辞書(1603‐04)「irouo(イロヲ) キル〈訳〉喪服を着る」
[二] 物事の表面に現われて、人に何かを感じさせるもの。
① 気持によって変化する顔色や表情。また、そぶり。
※続日本紀(797)文武即位前「天皇天縦寛仁、慍不色」
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「ゆくりかに寄りきたるけはひにおびえて、おとどいろもなくなりぬ」
② 顔だちや姿。特に美しい容姿。
※今昔(1120頃か)五「止事无(やむことなき)聖人也と云ふとも、色にめでず声に不耽(ふけら)ぬ者は不有じ」
※人情本・春色辰巳園(1833‐35)後「美服をかざりて色(イロ)をつくろい」
③ はなやかな風情。面白い趣。また、それを添えるもの。
※古今(905‐914)仮名序「いまの世中、色につき、人の心、花になりにけるより、あだなる歌、はかなきことのみいでくれば」
※徒然草(1331頃)一三八「『祭過ぎぬれば後の葵不用なり』とて、或人の、御簾(みす)なるをみな取らせられ侍りしが、色もなく覚え侍りしを」
④ 人情の厚いさま。外に現われる思いやりの気持。情愛。
※平家(13C前)五「御辺に心ざし深い色を見給へかし」
※徒然草(1331頃)一四一「あづま人は、我がかたなれど、げには心の色なく」
⑤ それらしく感じられる気配、様子。
※古今(905‐914)春下・九三「春の色のいたりいたらぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらん〈よみ人しらず〉」
⑥ (声、音などの)響き。調子。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「ナマルト ユウワ スバル ヒロガルノ ホカ、コトバノ irouo(イロヲ) イイチガユル コトナリ」
⑦ 能楽で、気持をこめて、節(ふし)と詞の中間のように謡う部分。また、修飾的な節まわし。
⑧ 浄瑠璃で、詞と地の中間の、詞の要素の多い部分。はなやかな感じを与えたりする。
※浮世草子・元祿大平記(1702)二「ヲロシ、三重、イロ、ウツリ、ハッハ、ソヲヲとばかりにて」
⑨ 箏で、左手の指で弦を押し、またはゆるがす弾き方。
⑩ 蹴鞠で、鞠の回転や速さの具合。
※咄本・私可多咄(1671)三「かたゐなかの人、まりけるをみて、あのありありといふは、いか成事そととふ。あれは色をみて、わか方へくる時に、人にばいそくせられましきため」
[三] 男女の情愛に関する物事。
① 中古では多く、「いろ好む」の形で、主として異性にひかれる感情、恋愛の情趣。近世は、もっぱら肉体関係を伴う恋愛。情事。
※伊勢物語(10C前)六一「これは色このむといふすきもの」
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後「みな親か兄弟のために、苦界の年のうち色を商ひ色(イロ)をつつしみ用心しても」
② 正式の婚姻でなく通じている男女の関係。また、情事の相手。情人。情夫または情婦。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二九「伊勢参人の面はしろしろと 事欠の色明星が茶屋」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「朝から晩まで情婦(イロ)の側にへばり付てゐる」
③ 遊女。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)四「是をごくゐなりと思ふ男は、山州といひ、色などといふてうれしがるなり」
④ 遊里。色里。
※浮世草子・世間胸算用(1692)二「寄合座敷も色ちかき所をさって」
[四] 種類。→(三)③。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「目に見ゆる鳥けだ物、いろをもきらはず殺し食へば」
[2] 〘形動〙
① 容貌や姿がはなやかで美しいさま。また、髪の毛がつややかで美しいさま。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「いろなる娘どもゐなみて」
※枕(10C終)二〇〇「髪、いろにこまごまとうるはしう末も尾花のやうにて丈ばかりなりければ」
② 恋愛の情趣を解するさま。色好みであるさま。
※落窪(10C後)三「越前守色なる人にて、いと興あり、嬉しと思ひて目をくばりて見渡す」
③ 風流であるさま。
※源氏(1001‐14頃)総角「目なれずもあるすまひのさまかなといろなる御心にはをかしくおぼしなさる」
[3] 〘語素〙
① 情事、遊里などに関するという意を添える。「色駕籠」「色狂い」「色事」「色好み」「色里」「色仕掛け」など。
② 調子、様子などの意を添える。「音色(ねいろ)」「声色(こわいろ)」「勝ち色」「負け色」など。
③ 種類の意を添える。「一色(ひといろ)」「色分け」など。
※浮世草子・世間胸算用(1692)一「一軒からは、古き傘(からかさ)一本に綿繰(わたくり)ひとつ茶釜ひとつ、かれこれ三色にて銀壱匁借て事すましける」
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)三「肴を三色(ミイロ)ばかり持来りて」
[語誌]漢語の「色」は「論語‐子罕」の「吾未徳如色者也」にあるように、「色彩」のほか「容色」「情欲」の意味でも用いられるところから、平安朝になって「いろ」が性的情趣の意味を持つようになるのは、漢語の影響と考えられる。恋愛の情趣としての「いろ」は、近世では肉体的な情事やその相手、遊女や遊里の意へと傾いていく。

いろえ いろへ【色】

〘名〙 (動詞「いろう(色)(二)」の連用形の名詞化) いろどり。美しい飾り。あや。
※日葡辞書(1603‐04)「Iroye(イロエ)〈訳〉さまざまな色で彩色された、または描かれたものの比喩。コトバノ iroye(イロエ)〈訳〉文飾、または優しく慎み深く話すための装飾」

いろ・む【色】

〘自マ四〙 植物やその実などが成熟して色がつく。色づく。
※談義本・山家一休(1770)二「ほんとうにいろむまでには、くいさしにしてすてる柿が数もかぎりもなき事也」

しき【色】

〘名〙 (「しき」は「色」の呉音)
① (rūpa の訳語) 仏語
(イ) 五蘊(ごうん)の一つ。物質的存在の総称で、変化し、一定の空間を占有するものを意味する。眼(げん)、耳(に)、鼻、舌、身の五根と色(しき)、声、香、味、触(そく)の五境、および意識の対象となる法処中の色法との十一色を含む。色蘊。〔勝鬘経義疏(611)〕 〔般若心経〕
(ロ) 十二処、十八界の一つ。
(イ) を狭義に用いた語で、五境・六境のなかの色境をいい、眼根の対象。赤・青、明・闇などの顕色と長・短、方・円などの形色とがある。
※性霊集‐一〇(1079)「若覓可見理趣者。可見者色」
② 人、職掌、品物などの種類を漠然と表わす。
※令義解(718)公式「凡任授官位者。〈略〉其余色。依職掌簿者。並准此」

しょく【色】

[1] 〘名〙 光の波長によって、目が区別してうける刺激。いろ。
※名語記(1275)六「しょくといへる字は、みなしきとよまる。色・職・式・餝・飾・食等、からには、しょく。つしまには、しき也」
[2] 〘接尾〙 色数を数えるのに用いる。

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世界大百科事典内のの言及

【楽譜】より

…リズムの組合せは4種類あるが,その区別を示すシグヌムsignum(曲頭におかれる,今日の拍子記号に相当する記号)は付されないのが普通である。14世紀も末になると,複雑なシンコペーションや変則リズムを示す〈点〉(プンクトゥスpunctus)や着色した色符(コロルcolor)を多用した技巧的な作品が作られている。(3)14世紀イタリア記譜法 フランスの初期定量記譜法を基礎としているが,6通りの基本的なリズムを表示することができ,曲頭にはシグヌムが置かれてリズム型を示している。…

【色素】より

…一般に色素という定義は判然としていないが,通常はその物質に特有の色を呈し他の物体に色を与える物質を指す。固有の色をもつ物質であっても,色の濃さが著しく小さいものは色素とはいい難い。色素と総称されるものには,動物や植物より得られる天然色素(生体色素),天然物である鉱物をごく簡単な処理で加工した鉱物色素,無機の原料より化学的操作を経て着色を目的として造られた無機顔料,有機合成によって製造された有機工業色素が含まれる。…

【儀礼】より

…しかし,19世紀末以降の人文・社会科学,ことに民族学者・社会人類学者らによる調査と研究は,この言葉により深い意義と広がりとを与えた。すなわち,儀礼という行動様式は,ふだんの生活とは異なった時間と空間の中で行われ,さまざまな歌や踊り,色鮮やかな衣装や飾り物などを伴って,ある場合は荘厳な雰囲気を,またある場合は陽気な喧噪状態を作りだし,日常生活の中の言語や通常の技術的道具などでは表し伝ええない,社会の連帯といった価値や,結婚・死といった重大なる事件を明確に表現し,心に強く刻みこむ働きを持つ,ということが明らかになった。そしてある種の経済的交換,集団間の戦争,さらには社交や挨拶など直接には宗教と無関係の活動にまで儀礼という言葉の意味するところを広げ,これらの中に儀礼的要素を見いだし,もしくは儀礼的側面から理解しようとするようになった。…

【化粧】より

…主として顔およびその周辺の皮膚に色彩を施したり,光沢を付加したりする装身行為をさすが,広義にはボディ・ペインティングなどの身体装飾,抜歯や入墨などの身体変工を含めた装身行為をさす。また最近では,〈美容〉という言葉を化粧と同義に用いることもあるが,これは化粧だけでなく,化粧の予備行為を含んでいる。…

【身体装飾】より

… ボディ・ペインティングは最も手軽な身体装飾として熱帯地方の原住民をはじめとして広く行われている。鉱物性や植物性の顔料(白土,黄土,赤土,墨,植物の色汁など)を,獣脂で練ったりして用いる。全身あるいは身体の一部に彩色するが,顔面(とくにほお),胸,胴体部などが多い。…

【名】より

…〈恥〉や〈罪〉は,それぞれの文化を背負った人々が概念化し,その特殊な概念に名を与えたものである。 時間,空間,色などに関する名は,名付ける側の文化的規定性と名付けられる対象自体の性質の中間に成立するものであろう。たとえば,時間そのものは連続的なものであり,それをどのように分節するかによって異なった概念および名が出現する。…

【五蘊】より

…サンスクリットでは,パンチャ・スカンダpañca‐skandhaという。生命的存在である〈有情(うじよう)〉を構成する五つの要素すなわち,色(しき),受(じゆ),想(そう),行(ぎよう),識(しき)の五つをいう。このうち(ルーパrūpa)には,肉体を構成する五つの感覚器官(五根)と,それら感覚器官の五つの対象(五境)と,および行為の潜在的な残気(無表色(むひようしき))とが含まれる。…

【仏教】より

…前者は南伝,後者は北伝の資料に基づく計算であるが,目下のところ,いずれかに正否を断定できる資料はない。
[宗教的特色]
 釈迦在世時のインドでは,正統派の宗教家たるバラモン(婆羅門)と並んで,沙門(しやもん)(シュラマナ)と呼ばれる多種多様な宗教家,思想家がおり,なんらかの方法で輪廻(りんね)からの解脱を求めて修行し,またその道を説いていた。釈迦もまた,この出家遊行して乞食によって生活する沙門の道を選び,また修行方法として,身心を苦しめ鍛えて超能力を得る苦行の代りに,精神の統一,安定によって真理を直観する禅定(ヨーガと同じ)を採用した。…

※「色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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